2012年10月17日水曜日

デームス『ディアベッリ変奏曲』。

 17日水曜日。先週来風邪を引いていて、まだ微熱があります。今日はめずらしく6時頃にぱっちりと目が覚めました。朝ご飯を食べ、早めに研究室に行って仕事でも、と思ったのもつかの間、もうすこしだけ寝ようとベッドに戻ったのがまちがいで、不覚にもそのまま眠ってしまいました。結局、2限の院ゼミからの始動。昼に臨時の教授会。そのまま帰ってきて、昼食後は、学会ワークショップ(21日、於 神戸大学)の原稿の続きです。東大駒場でのウィリアム・マルクスの講演は熱っぽいので諦めることに。ボーとした頭を絞りつつ夜までかかって16枚ほどの原稿がなんとかできあがりました。なにやらランシエールでベニシューを批判しているような雰囲気になってしまいましたが、ランシエールをわきに置くことでベニシューの議論がより明確になる、という感じで話せればいいと思います。

イェルク・デームスの弾く『ディアベッリ変奏曲』を聞きました。1976年のレコードが今年CD化されたものということのようです。1枚目では、ツェルニーやリストやフンメルやカルクブレンナーやらの変奏が32曲ほど選ばれて演奏されています。2枚目がベートーヴェン。Gröber、Broadwood、Grafといったフォルテピアノによる演奏です。先般リリースされたアンドレアス・シュタイアーも同じようなコンセプトでしたが、デームスの方が選択された変奏の数は多いので、興味深いものになっています。じつは「ウィーン三羽烏」のうちではもっぱらバドゥラ=スコダを聞き、デームスは聞いてこなかったのですが(グルダは苦手です)、ウィーンのピアニストらしい才気煥発の好演といった赴きで気に入りました。それに『ディアベッリ変奏曲』はベートーヴェン以外の作曲家による変奏にも十分記憶に値する面白いものがたくさんあるように思います。それを再認識させてくれた点でも貴重な一枚でした。

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